忘れてはならない阪神大震災、1995年1月17日のことです。このマグニチュード7.2の大震災で6,300人余りの方が亡くなられました。その内、自宅即ち家の中での死者が約5,500人です。
しかしアメリカでも1992年ロサンゼルス、ノースリッジでマグニチュード7.5という大地震が起きていますが、死者は65人です。(負傷者5,000人)また、1989年サンフランシスコ、ロマブリータの大地震はマグニチュード7.1で死者は何と63人です。
なぜこれ程死者の数に差があるのでしょう。これはほとんど住宅内での死亡者数の差ということです。
即ち日本は住宅災害と言えるのではないでしょうか。
戦後、日本は住宅不足を補うために大量に住宅が供給されてきました。しかし、経済の発展を第一にとらえ、先進各国と違い住宅の供給を民間主導で行ってきました。そのお陰で住宅会社が大きくなり日本の家は供給者側、即ち、「企業側の論理」で提供されてきました。それが今日の短命住宅の原因であり、消費財として車同然に販売している有姿なのです。次表をご覧下さい。
  

国  名 人口
(万人)
国土面積
(万km2)
年間新築着工戸数
(万戸)
日  本 約 12,500 35 約 160
アメリカ 約 26,000 937 約 130
フランス 約 5,790 55 約 31
ドイツ 約 6,000 36 約 30
イギリス 約 6,000 24 約 18
カナダ 約 2,925 997 約 17
スウェーデン 約 850 45 約 0.3
(平成8年度調べによる)
何と日本は世界一の新築戸数です。まさに地球環境破壊国と言われても仕方ありません。
昭和40〜50年に建てられたプレハブ住宅や建売住宅の建て替えサイクルは平均23年ですが、そのうち、築14年以内での建替えが何と40%もあるという結果が出ています。いかに今の日本の家づくりが短命であるか、造っては壊しの家づくりが他の国と比較しても異常であるか一目瞭然です。それに引きかえアメリカの住宅の平均寿命は何と85年です。また、イギリスではそれ以上と言われています。
今後、日本は強い経済基盤のもと、家を財産即ち社会資本としてとらえ、先進国並にしていかなければなりません。「家は売る物」という販売構造から「家は造る物」という現場中心の地域産業に切り替えていけば、地域の真の活性化につながり、家の耐久年数も50年以上は楽に維持できます。住宅は現場で造らないと今の工業化住宅では接着剤やのりや化学物質を多用した新建材のため、健康に及ぼす影響も大きいという調査結果も出ています。家は「技術者が現場で造る物」であり、木の香りのする家が一番です。